原料相次ぎ値上げでスタートした(旧暦)2017年
アップデート:2017/02/19 お知らせ 閲覧数:3925
原料相次ぎ値上げでスタートした(旧暦)2017年
春節を挟んでいだ為納期の事を懸念していた二つのオーダーの製品は中国の旧正月が明けて、無事に山東省青島港より出港できてやっとほっとしたのもつかの間、年明け早々各中国のサプライヤーより値上げの連絡がありました。
原燃費用(2016年末時点の燃料用石炭の価格は2015年の平均価格より倍以上になっていた)及び人件費用が上がっている事は目にして来た為、ある種「値上げ」は想定内の事でしたので、値上げ自体は特に抵抗はなかったですが、びっくりしたのは値上げの幅と値上げ対象/範囲の広さでした。
ざっくり、昨年弊社取扱いがあった(実らなかった製品をも含めて)PAベース樹脂、PPS樹脂、セバシン酸、PET粉体塗料ベース樹脂、フッ素PTFE樹脂、ガラス関連製品、ウレタン系エラストマー(原料のMDI、BDO、PPG)、酸化チタン、炭化ケイ素、アルミナ、シリコーン樹脂、シランカップリング剤、アラミド織物、基布・・・軒並み値上げの打診/見積もり価格訂正依頼があり、値上げ希望幅は破格のMAX50%でした。
一方的な値上げの通達が多くて、理由を尋ねてみたら大体下記のように分けられます:
・需要拡大による値上げ:ガラス関連製品、酸化チタン・・・
・原燃、輸送費用など値上がりによる玉突き値上げ:ウレタン樹脂、炭化ケイ素、アルミナ・・・
・政府の環境規制強化による値上げ:セパシン酸、フッ素樹脂、シリコーン樹脂・・・
・海外メーカーの値上げに連動した値上げ:PA樹脂・・・
・ハイブリッド型値上げ:酸化チタン・・・
懇意にさせて頂いている中国の成型品メーカー社長の本音を聞かせて頂きました。「特需を受け、数倍の人件費を払って一部のラインは春節を休まずに回してきましたが、肝心な原料は環境規制による減、停産が繰り返し、原料を確保するのにトラックを徹夜に並べさせるほどタイトの上、原料価格は高騰してきました。蓋を開けてみたら利益は全て原料の値上げ分に化してどこかにふっ飛んでしまいました」っと「自社も値上げ分をエンドユーザーに転嫁するが失注リスクを負うか、原料価格が落ち着くまでノーマージンで我慢するか」とのジレンマに困惑される様子が伺えました。
(旧暦2017年の)新年明け早々、わが社のような輸入主導の会社は暫し値上げ影響の火消しに奔走させられるに違いありません。
ただし個人的には公私問わず、苦境に立たれる時期こそパートナシップを試されるタイミングであり、協力関係の真価を問われる絶好のチャンスと捉えて前向きに乗り越えれるように努めて行きたいです。
前のページ: 河北省に新区を設立されました
次のページ: 中国は春節休暇に入りました